不眠・不眠症

不眠・不眠症の
診療を実施しています

不眠・不眠症の診療を実施しています当院では、不眠などの睡眠障害でお困りの方の診察を行っています。
心身を休めるはずの睡眠が障害されると、健康だけでなく日中の日常生活にも支障をきたすようになります。また、うつ病、不安障害などの疾患によって引き起こされる睡眠障害も少なくありません。
原因を探り、できる限りその根本的な解決を目指しながら、必要に応じてお薬を使った治療を行います。

眠れない・日常生活に
支障をきたす不眠症

代表的な睡眠障害である不眠症は、「十分な睡眠が確保できず、心身や生活に何らかの支障をきたしている状態」と定義されます。
日中の眠気やイライラ、体調不良、集中力の低下などが、仕事での失敗につながることは少なくありません。また、それが積み重なることで会社からの評価が下がったり、転職を余儀なくされることもあります。
なお、「何時間以上眠れなければ不眠症」という基準はありません。あくまで、自分が望むような時間・質の睡眠ができずに心身・生活に支障をきたしている状態を指します。
不眠・不眠症でお困りの方は、お気軽に当院にご相談ください。

不眠症はストレスが原因?
うつ病の可能性も?

不眠症の原因というと「ストレス」が思い浮かぶかもしれません。確かに、ストレスが原因や引き金になることはあります。
しかし、それ以外にもさまざまな原因が考えられます。

精神疾患

うつ病に代表される精神疾患によって、不眠症が引き起こされることがあります。また逆に、不眠症が精神疾患の原因になることもあります。
うつ病以外の原因疾患としては、双極性障害、統合失調症、不安障害などが挙げられます。

身体疾患

痛み、かゆみ、しびれ、呼吸器症状、頻尿などは、いずれも睡眠の妨げとなり、不眠症を引き起こすことがあります。
つまりこれらの症状を伴う疾患であれば、不眠症の原因となる可能性があるということです。
具体的な疾患としては、COPD、アトピー性皮膚炎、甲状腺機能障害、前立腺肥大、生活習慣病、がんなどが挙げられます。

薬の副作用

抗うつ剤、ステロイド、降圧剤、甲状腺治療薬、パーキンソン病治療薬などの薬は、その副作用として不眠の症状が現れることがあります。
何かのお薬を飲み始めて、そのタイミングで不眠症状が出たという場合には、まずその副作用を疑います。

加齢・自律神経の乱れ

加齢は、体内時計のリズムに関係するメラトニンというホルモンの分泌を低下させることから、不眠の原因となることがあります。
またストレス・不規則な生活リズムによる自律神経の働きの乱れも、不眠の原因となることがあります。

心理的な要因

「明日のプレゼン・試験が心配でなかなか眠れない」という経験は多くの方がしています。この場合、プレゼンや試験が終われば通常は元の睡眠状態に戻れます。しかし、そういった日々が続いたり、出社や登校といった日常的な行動そのものに強い不安を感じるようになると、慢性的な不眠を引き起こすことがあります。

不眠症の症状
セルフチェック

  • 不眠症の症状セルフチェックベッドに入ってから眠るまでに30分以上かかる
  • ひと晩のあいだに何度も目が覚める
  • 目覚ましをかけた時間よりもかなり早く目が覚め、それ以降眠れない
  • 希望している時間の睡眠をとれないことがよくある
  • 眠りが浅く、ぐっすり眠れない
  • 日中に眠気、集中力の低下、イライラを感じる
  • 日中の身体的・精神的活動が低下している
  • 眠気などの症状により日常生活に支障が出ている

上記の項目のうち、2つ以上に該当する場合には、一度当院にご相談ください

4つの症状パターン

不眠症の種類(現れ方)は、大きく以下の4つに分類されます。

入眠障害

なかなか寝付けないというタイプです。
健康な人は、眠る準備をしてベッドに入ると30分以内に入眠します。寝付くまでにそれ以上の時間がかかる、あるいはそれ以下でも寝付けないことが苦痛である場合には、入眠障害の可能性があります。

中途覚醒

入眠後、何度も目が覚めるタイプです。
暑い・寒い・うるさいといった明らかな原因があり目が覚めることは誰にでもありますが、そのような原因がないにもかかわらずほとんど毎日夜中に何度も目が覚めるという場合には、中途覚醒と考えられます。目が覚めることで「眠れていない」ことを考えこんでしまい、さらに眠れなくなるというケースも見られます。

早朝覚醒

異常に早い時間帯に目が覚めてしまい、以降眠れないタイプです。
よく言われるように、一般的に加齢とともに目覚めは早くなります。しかし、本来は眠っていたい時間であるにもかかわらず目が覚め、苦痛を感じている場合には、この早朝覚醒に該当することになります。
目安として、自分が望んでいる時間よりも2時間以上早く目が覚めて困っている場合には、一度当院にご相談ください。
特に、うつ病に合併することの多い不眠症のタイプです。

熟眠障害

眠りが浅いタイプです。必要と思われる睡眠時間を確保しているのに、全然疲れが取れていない、睡眠の質が悪い気がするといったことが起こります。
いくら眠っても寝足りない感じがして、日常生活に支障をきたす「過眠」によって起こることもあります。

不眠症の診断基準

適切な睡眠環境が用意されているにも関わらず、睡眠の質が不十分であり、日中の生活に何らかの支障をきたしている場合に不眠症と診断されます。
具体的には、以下の①~③のすべてを満たしているケースです。

  1. 睡眠の質に対する何らかの訴えがある
  2. その訴えは適切な睡眠環境下であっても起こる
  3. 日中に以下の機能障害のうち1つ以上が認められる
  • 倦怠感や不定愁訴
  • 集中力、注意力、記憶力の低下
  • 社会的機能の低下
  • 気分の障害や焦燥感
  • 日中の眠気
  • 動悸、意欲低下
  • 仕事のミス、運転中の事故の危険
  • 睡眠不足に伴う緊張、頭痛、消化器症状
  • 睡眠に関する不安

不眠症の治し方

不眠症の治療では、生活習慣の改善や薬物療法、精神療法などを行います。
うつ病を合併している可能性も疑いながら、正確に診断し、適切な治療を提供します。

生活習慣の改善(睡眠衛生指導)

睡眠にかかわる生活習慣についてお伺いし、その改善によって、睡眠の質を改善します。
具体的には、規則正しい食生活、適度な運動、睡眠環境の改善などです。
睡眠環境の改善では、寝室の温度や湿度、寝具の種類を見直したり、寝る前のカフェイン・アルコールを控えたりといった指導を行います。

薬物療法

主に、睡眠薬(睡眠導入剤)を使用します。睡眠薬にネガティブなイメージをお持ちの方もいらっしゃいますが、現在の睡眠薬は非常に進化し安全性が向上しています。適正に使用している限り、依存したり、健康に悪影響を及ぼしたりといったことはありません。
その他、症状に応じて、抗不安薬や抗うつ薬、漢方薬を処方することがあります。

漢方薬の処方

患者さまの体質や病状を考慮した、適切な漢方薬の処方を行っております。

精神療法

精神療法も有効になることがあります。薬物療法が不要になる・薬の量を減らせるといったことも期待できます。
不眠症に対する精神療法として基本となるのが、認知行動療法です。睡眠に対する認知の歪みを修正し、睡眠の捉え方を現実化することで、睡眠の質の向上を図ります。
また、当院ではCBT-Iと呼ばれる睡眠改善につながる生活習慣を身につけることを目的とした心理療法も行っています。

不眠症以外の睡眠障害

睡眠障害には、不眠症以外にも、以下のような種類があります。

過眠症

夜間に睡眠をとっているのにもかかわらず、日中に強い眠気を感じる睡眠障害です。

概日リズム睡眠障害

本人が望む睡眠時間と体内時計が合わず、さまざまな不眠症状が引き起こされます。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠中に何度も呼吸が止まったり、浅くなったりする病気です。疲れが抜けない、日中の強い眠気などの症状を伴います。また多くは、いびきを伴います。

周期性四肢運動障害

睡眠中に手足に不随意運動が起こり、何度も目が覚めてしまう睡眠障害です。

むずむず脚症候群

足のむずむずとした不快感が生じ、眠りたいのになかなか眠れない病態を指します。