- 仕事・職場に行きたくないのは甘え?うつ?
- 仕事・職場に行きたくないと思う理由は?理由が分からないことも?
- 仕事・職場に行きたくないと感じた時に現れる症状
- 仕事・職場に行きたくない状態が続いている場合には病気の可能性があります
- 仕事・職場に行きたくない時の5つの対処法
仕事・職場に
行きたくない
のは甘え?うつ?
仕事にやりがいを感じている人であっても、ある日なんとなく「今日は仕事に行きたくないなあ」と考えてしまうことはあります。しかし多くの場合、最終的には出社します。またずる休みをしてしまった場合も、翌日には幾分すっきりして、出社します。出社してみるとその楽しさ、あるいは仲間の顔を見て、「なんであんなに行きたくなかったんだろう」というケースがほとんどです。
ただその一方で、なんとか出社したけれど一日中どんよりした気持ちで仕事もままならなかった、仕事を休んでみたけれど一向に気力が湧いてこない、何日も連続して休んでしまう・休職したというケースも存在します。また出社前になると腹痛や下痢、吐き気などの症状が出てきて困っているという方もいらっしゃいます。
こういった状況は、まわりから「甘え」と捉えられがちです。しかし、実際にはうつ病や適応障害などの病気を発症していることが少なくありません。
仕事・職場に
行きたくないと
思う理由は?
理由が
分からないことも?
仕事・職場に行きたくないと思う理由には、さまざまなものがあります。
主だったものをご紹介します。
職場の人間関係に悩んでいる
上司や先輩に怒られる、無視や嫌がらせなど理不尽な態度をとられる、孤立してしまうといった、職場での人間関係の悩みは決して少なくありません。
「決められた人との共同作業」は学校でも経験しているはずですが、社会人となるとその時間・期間が長く、また大きな責任を伴います。それゆえに悩みもまた、大きくなってしまうのです。
あの人に会いたくない、顔を見るのも辛い、雰囲気に耐えられないといったことを考え、仕事に行きたくないと感じてしまうのです。
仕事量が多い・能力が追い付いていない・責任が重すぎる
人手不足で残業や休日出勤が日常的となっている、持っている能力以上の業務を与えられる、仕事を1人で抱え込み責任が自分だけに偏っているといった場合も、それが長く続いたり、先が見えないケースほど、仕事に行くのが辛くなります。
精神だけでなく、肉体にも疲労がたまっているため、体の不調が起こるケースも少なくありません。
寝不足・貧血・低血圧
寝不足や貧血、低血圧などがあると、心身がすっきりせず、仕事に行くのが辛くなります。
生活習慣を改善しても症状が続く場合には、背景に何らかの疾患が隠れていることもあります。その症状に応じて、医療機関を受診しましょう。
理由が分からない場合
ここまでご紹介した3つのいずれにも当てはまらず、特に理由が思い当たらないというケースです。
心が疲弊している
心が疲れ切っていると、思考力が低下し、自分が出社できない理由さえ考えられないことがあります。「理由がない」わけではなく、「理由を考えられない」という状態ですね。
このケースでは、理由を考えられないために、「だったらちゃんと行かなくちゃ」という気持ちが強く、無理をしてしまう人が少なくありません。そして無理をすることで、さらに心身が疲れてしまいます。
自己肯定感が低下している
何をしても否定される、成果をあげても評価してもらえない、ないがしろにされる・無視をされるといった状態が続くと、だんだんと本当に自分が無価値であるような気がしてきます。いわゆる、自己肯定感が低下しているケースです。さらに悪化すると、自分も自分を大切にしなくなり、体を休めたり、休日を楽しんだりといったことさえ難しくなります。
仕事・職場に
行きたくないと
感じた時に現れる症状
仕事・職場に行きたくないと感じた時、心身に以下のような症状が現れることがあります。これらは、「これ以上無理をしないで」という自身からのサインとして現れることもあります。
こういった症状が続く、一向に改善しないという場合には、一度当院にご相談ください。
吐き気・腹痛・下痢・めまい
強いストレスによって自律神経が乱れると、消化器や内耳が正しく働かずに、吐き気・腹痛・下痢・めまいなどの症状が現れることがあります。
心療内科や精神科の他、内科や消化器内科、耳鼻科などの受診が必要になることもあります。
頭痛・動悸
頭痛や動悸も、自律神経の乱れを原因として起こりやすい症状です。
こういった場合によく見られる頭痛として、片頭痛が挙げられます。また、ストレスを原因とする緊張型頭痛が認められることもあります。
動悸は、朝になったのに副交感神経から交感神経への切り替えがうまくいっていない状態で体を動かそうとすることで起こります。
朝起きられない・布団から出られない
疲労や睡眠不足が残っていると、朝時間通りに起きることが難しくなります。
また目が覚めていても、どうにも体が怠かったり、出社したくない気持ちが強すぎて、布団から出られないということもあります。
仕事・職場に
行きたくない状態が
続いている場合には
病気の
可能性があります
適応障害
焦燥感・不安感、イライラ、抑うつ気分などの精神的な症状、食欲不振または過食、吐き気、嘔吐、倦怠感、不眠などの身体的な症状が見られます。
特に就職・転職・転勤・部署移動など、環境が変わった時には注意が必要です
自律神経失調症
不規則な生活、ストレス、睡眠不足、女性ホルモン・甲状腺ホルモンの乱れなどによって自律神経のバランスが崩れた状態です。疲労感・倦怠感、めまい、耳鳴り、肩こり、腰痛といった身体的な症状、憂うつ、気分の落ち込み、意欲低下、イライラといった精神的な症状を伴います。
仕事・職場に
行きたくない時の
5つの対処法
仕事に行きたくない、と思った時の対処法を5つ、ご紹介します。
出勤前・退勤後に楽しみをつくる
出勤前にカフェに寄る・いつもは通らない公園を散歩する、あるいは退勤後にショッピングや飲み会の予定を入れるなど、仕事の前後に楽しみを見つけましょう。
これで1日を乗り切り、翌朝に元気が出ていれば、ひとまずは安心です。
信頼できる人に相談する
特に疲れている時は、うまく考えがまとまらず、どうすれば悩み・問題を解決できるのか自分では分からなくなることがあります。
そういった時、信頼できる友人や家族などに相談してみると、客観的な立場から良いアドバイスをもらえるかもしれません。また、それまで1人で抱え込んでいた人は、人に話すだけでもすっきりとすることがあります。
会社の人に相談しても構いませんが、状況が改善されることもあれば、かえって悪くなることもあるため、慎重に判断しましょう。
生活習慣を見直す
1日でなんとかなることではありませんが、生活習慣が乱れている場合には、その改善によって身体の調子が良くなったり、考えがポジティブになったりといったことが期待できます。
バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠によって、心身の調子を整えましょう。
会社を休む
会社に連絡し、お休みをもらうという方法です。
疲れた心身の健康を守るためには、休息が何より大切になります。お休みの期間は人それぞれですが、その間もできる限り、正しい生活リズムを継続しましょう。何日かお休みをもらったけどその間横になっていることしかできなかった、どんどん気持ちが沈んでいくといった場合には、お早めに当院にご相談ください。
休職する
休職が必要になることもあります。なおうつ病などの病気の可能性がある場合、原則としてすぐに退職の決断をされることはおすすめしません。思考力が落ち、正しい判断ができなくなっている可能性があるためです。
できるだけ早く、心療内科・精神科を受診しましょう。なお当院では、復職に向けたサポートを行うリワークも実施しております。